SSブログ

映画「ちいさな独裁者」

 ナチスの軍服は、いろいろと物議を醸す。嫌忌するナチス総統のアドルフ・ヒトラーとホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)の鮮血に染まった暗黒史を想起させるゆえだ▼昨秋、韓国の人気ヒップホップグループ「BTS(防弾少年団)」が、米国のユダヤ系人権団体から非難された。コンサートでナチスようの旗を振るなどして、感情を逆なでした。戦後74年がたった今も被害者の深手は癒えない▼人は誰しも少なからず英雄願望を持っている。自己の優位性を保つために、器に見合わない権力をやたらと振りかざす。そのための武装として、ナチスの軍服は有効なのだろう▼実話ベースの映画『ちいさな独裁者』(8日公開)は第2次大戦が終戦まぢかのドイツで、一兵卒の若者がナチスの将校服を偶然見つける。権威の象徴の軍服が小心者を悪魔に変える。即決裁判で国防軍の脱走兵らを次々と処刑していく▼日本は戦前の軍国主義から戦後、民主国家に生まれ変わった。天皇を「神聖な存在」から「日本国の象徴」とし、司法、立法、行政の三権分立で権力の狂気的暴走を防いできた▼しかし、微妙なバランスの上に成り立つ、この三権の力関係が崩れてきてはいまいか。安倍1強政治…権力を監視する報道機関の弱体化も一因として猛省する。建国をしのび、国を愛する心を養うための「建国記念の日」(11日)が近づく。

nice!(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。