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映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」

 映画監督は相当な凝り性でなければ、大成しない。長く映画を見ていると、つくづくそう思う。脚本、演出、撮影、衣装、音楽と細部までとことんこだわった総合芸術は、監督の独りよがりが過ぎなければ、興行的に成功する。
 ロシア映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』は、おじさん「ミリタリー」ファンをキャッキャと歓喜させる。脚本も手がけたアレクセイ・シドロフ監督は、かなり凝り性のオタクとみた。
 監督は1941年の第2次世界大戦下、ドイツ戦車中隊とソ連戦車「T-34」1両の接近戦を序盤の約30分でたっぷりと描く。着弾の映像、効果音がすさまじい迫力。分厚い装甲板に敵の砲弾がかすっただけでも、戦車兵の耳を聾する衝撃波をリアルに伝え、車内にこもる男たちの汗とたばこの臭いさえ漂ってくる。CG全盛のいま、アナログの重量感は貴重だ。
 戦争とは歩くことである。何かの本で読んだが、なるほど遠隔操作のボタン一つで敵陣を破壊する現代戦争と違って、第2次大戦ではそうだっただろう。本作の場合は、戦争とは戦車がドリフト爆走することである、となる。
 初戦は主人公のソ連戦車長のイケメン少尉が、ドイツ・ナチスの大佐に負けて捕虜になる。3年後の1944年、少尉が同士3人と後期型T-34で収容所脱出を企てる。立ちはだかるナチス戦車隊。T-34が自由への足となる。

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